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認知神経リハビリテーション(以下:認知神経リハ)は、
1980年代にイタリアの神経科医Carlo Perfetti教授によって
考案されました。

図1-1


また日本には2000年から
学術集会が開催されるようになりました。

リンクはコチラ → 認知神経リハビリテーション学会







認知神経リハでは
リハビリテーションを通じて患者の脳に働きかけることが
大前提とされています。



つまり、私たちが運動をする際には
この脳の中が働いているといえます。



私たちが生活する中において、
身体は床や椅子、ベッドなど
身体の一部分が環境と接しています。



また、私たちの運動や行為が、
環境に影響を受けていることは周知の事実でもあります。



例えば、乾いた「滑らない」廊下を歩く時と、
濡れた「滑る」廊下を歩く時では自然に歩き方が変わってきます。



誰に言われたわけでもないのに、
自分の頭の中で足元が滑ることを感じ(知覚し)、
このまま普通に歩けば転んでしまうことを知り(認識し)、
歩隔が広がり重心を低くして歩こうと
運動パターンに変化を与えます。



つまり、
運動するというのは身体と環境とが相互作用をするための手段
とされています。



その関係づくりをしているのは、脳なのです。



では認知過程について説明してきます



認知神経リハでは、
脳の中には認知過程というものがあると考えられています。
図1-2図1-3


認知過程とは、
脳が身体と環境との相互作用に関わるために
情報処理をする過程
のことを呼んでいます。


脳の中では、私たちの様々な経験を蓄積し、
それを他の場面で活用していく働きがあります。



普段のありきたりな日常生活における行為の連続は、
特に意識化されることはありません。



ごく当たり前のことは、ごく当たり前に情報処理され、
いちいち意識しないようにできています※1


※1 並列分散処理機構
環境から得られる情報を順番に一つずつ処理していたのでは間に合いません。
そのため、脳神経系は同一情報を異なる方法により
複数経路で同期的に処理する並列分散処理機構を構築しているとされています。



つまり、様々な刺激のすべてに注意を向けていれば、
脳は膨大な情報処理をしなければなりません。
そのため脳は、
そのときどきに必要な情報のみに注意機能を用いて選択しています。
それは、過去の経験から得られた記憶によって修復されます。


しかし、患者さんの場合は膨大な情報の中から
適切に注意機能を用いて選択できない結果、
異常な運動パターンが出現することに繋がると考えます。



認知過程というのは、
知覚注意記憶判断言語から成り立っています。



これらの各項目は、個別に存在するものではなく、
それぞれの関係性が重要であり、
認知過程の各項目が関係し合って、
ひとつのシステムを形成している
と考えられます。


これらが上手く統合されることで、
「知る」「感じる」「学ぶ」ということに繋がります。



つまり、行為や運動に至るための「知る」「感じる」「学ぶ」ということは、
認知過程の各項目が繋がり合った結果
として
生まれるものと考えられます。



そのため、認知過程の各項目における
どの項目に問題が生じたとしても、
ひとつのシステムとしての
「知る」「感じる」「学ぶ」ということが難しくなります。



これは、氷山を例に説明されています。


上のように、氷山は海に浮かんでいますが、
私たちが目に見えるのは氷山の一角にすぎません。
その目に見える氷山の下には更に大きな氷山が隠れています。



運動も同じように、目に見える運動は一部分であって、
それらが出現するためには認知過程というものが隠れています。



臨床では「○○筋が弱いから、促す」
「○○筋の固さをとる」ということは良く耳にする内容です。



当然それらの着眼点も重要になってきます。
しかし、認知神経リハでは先程説明したように
姿勢観察(外部観察)や触診にて評価したことは、
氷山の一角であり、結果であると解釈します。



よって、上記の結果が起こっているのが
何故なのかということを仮説立ててシステムとして
考えていかなければなりません。


ヒトは非常に複雑な機能を有していることからも、
認知神経リハでは評価に関して、
様々な面(脳科学、心理学、哲学、現象学、発達心理学)から解釈していきます。



当然それらをすぐに臨床応用することは
非常に難しいかもしれません。


しかし、私たちは障害された身体を見ている一方で、
「ヒト」をみているという点からも様々な視点からの解釈は大切になります。



では認知過程というものを、臨床的に考えていきます。


患者さんの中には、立ち上がり動作で、
いつも前足部が浮いてしまい立ち上がっても不安定で
後方に倒れそうな患者さんを経験されたことがあるかと思います。
図1-4


まずこのような患者さんでは、
知覚という点に関しては、足底の状態がどうなっているのか捉えられておらず、
体重をどの程度荷重すれば良いのか分からないかもしれません。



注意では、セラピストからの指示に関して
注意が向けられていないのかもしれません。
また自分の身体に関しても、
どうなっているのかなど注意が向けられていないのかもしれません。


記憶では、起立の手順を記憶できないことや、
セラピストからのアドバイスが覚えられないのかもしれません。


判断では、足底のどこに、どの程度の荷重をかければ良いのか、
そしてどのようなタイミングで離殿をすれば良いのか
判断ができないのかもしれません。


言語では、セラピストのアドバイスを理解できていないのかもしれません。



このような知覚・注意・記憶・判断・言語の
どれが欠けても立ち上がり動作における改善が難しいことが予測できます。

そのため、患者さんの認知過程を考慮してプログラムを立案していくことになります。


明日から認知過程というものを踏まえながら
リハビリを展開してみてはいかがでしょうか?



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